会社を定年退職して4年。私の1日はスポーツクラブに通うことから始まる。
汗を流すと、その日のリズムが生まれてくる。
朝刊を丁寧に読み感想を妻と語り合う。現役当時の誇りをかなぐり捨て、妻の買い物袋を持って買い物にも行く。品定めをしていると、市場価格に敏感になり季節感も味わえる。
午後は公民館で囲碁を打つ。子どものころに覚えた私は5段格。弱い人もいるが、要は囲碁を通じて会話することが大切だ。囲碁仲間は100人を超える。
毎週土曜日は地元の小学校へ囲碁を教えに行く。子どもに囲碁を教えるのは長年の夢だった。
3年ほど前に意を決して、校長先生に「ボランティアで教えたい」と頼み込み、指導させてもらうことになった。
この話を囲碁仲間にすると、定年組が次々に名乗り出て、今では指導者が12人。児童の数とほぼ同じだ。子どもたちが老後を迎える頃には 、囲碁で遊び相手を見つけれくれるだろう。多くを望まず、積み重ねれば充実した老後を過ごせると思っている。